投資とは?未経験者や初心者がはじめるポイントを解説

投資と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか。もう随分前の話ですが、昭和の終わりから平成のはじめにかけて、株を中心とした財テクブームが起きました。その後のバブル崩壊から景気の落ち込み、就職氷河期と、40代以上の方にはあまり良いイメージはないかもしれません。しかし、現在はバブル当初と同じ低金利時代。あまり気が進まないものの、投資に向き合わざるを得ないという時代になってきています。

投資に興味はあるけれど

世間では「貯蓄から投資の時代」を謳っていて、政府も投資を支援する政策を行っています。そもそも投資とは何でしょうか。

投資とは

投資の「資」とは「資本」のこと。資本とはお金に限らず、価値がある、又は価値を生み出すモノならその多くが資本となります。通常の場合、投資という場合は保有しているお金の一部を、経済活動に投じることでさらに殖やすことを目的とする行為を指すことが多いでしょう。

経済学の本では「投資」という言葉と「貯蓄」という言葉が別々に使われますが、いずれも実質的には同じと考えられます。手に入れた処分できる所得を現時点で処分してしまうと「消費」となり、将来に決めた目的で使うために現時点で使わず、処分を先送りする場合が「貯蓄」となり、日本の場合は「貯蓄」の多くが金融機関などを通じて、製造や販売などの経済活動に必要な資金の形で再投資されています。

投資の種類

投資スタイル別に、次の2つの種類に分けることができます。

・出資

・貸付

出資はお金等の財産を提供して、出資先の企業や団体のオーナーの立場で投資することを意味しています。これに対して貸付はお金等の財産を期間を定めて貸し出し、その間は賃貸料を金利の形で徴収して期間が満了すれば貸し出した金等の財産を返還してもらう形の投資です。出資の例には株式投資などが、貸付の例には債券投資などが挙げられます。

投資の対象でも次のように種類分けすることができます。

・金融投資

・不動産投資

・現物投資

・先物投資

金融投資は企業や各種団体の経済活動に必要な資金などを出資や貸付の形で提供するスタイルの投資となります。株式投資や債券投資は金融投資の主要なものと言えます。不動産投資はお金以外で経済活動に必要な土地や建物といった資本の調達や運営に、必要な資金などを出資や貸付の形で提供するスタイルの投資となります。

現物投資は業や各種団体の経済活動に必要な資金、土地や建物以外の資本としてエネルギーや原材料などを対象とした投資で、経済活動の状況次第で価格の変動を通じて大きな利益が得られる場合があるのが特徴と言えます。

先物投資は投資対象となる商品や原材料そのものを受け渡しすることを省き、価格変動のみに注目してその差額で決済するスタイルの投資です。値動きの大きな商品や原材料の現物投資に派生した取引のスタイルで、商品や原材料そのものを受け渡しすることを省いている分、管理や運搬にかかるコスト負担がかからず、投資に要する費用が安いのが特徴です。

投資への興味の背景

経済成長の速度が速く、成長に必要な資金需要が旺盛な時代は金利は高い水準で推移します。こうした金融環境において、日本では直接的にお金が必要な企業や団体に投資をするよりも、銀行などの金融機関にお金を預けて、貸付や出資の判断は金融機関の責任で行い、銀行など金融機関から預金に応じた利息を安定的に受け取る方が、安全面でも収益面でも優れていました。

現在は経済成長の速度が停滞、または鈍くなって金利は低い水準で推移しており、銀行などの金融機関にお金を預けても、預金に応じた利息に関する収益はほとんど期待できない水準となっています。とはいえ、年齢を重ねることによる将来の健康不安や収入への不安から、預金とは別の形で資産を運用して収益を上げたいといった希望を持つ人も多く、こうした状況から直接的にお金が必要な企業や団体に投資をすることに興味を持つ人が増えてきているようです。

投資で初心者が知っておきたい基礎知識

投資はうまくすれば貯蓄より将来のお金を殖やすことができる反面、景気変動によって資産を減らすことを、過去のバブル崩壊で多くの人が体験しました。やはり投資にはある程度の知識が必要と言えます。

リスクとリターン

投資活動によって被る損失やその可能性をリスク、得られる利益をリターンといいます。リスクとリターンは一対不可分の関係にあり、多くのリターンを得ようとすればリスク負担は大きくなり、リスク負担を小さくしようとすれば期待できるリターンも相応に小さいものとなります。投資のスタイルや対象によってリスクとリターンは違ってきます。

キャピタルゲインとは

投資した対象の価値について、対象そのものの価値が増えることに起因して得られるリターンのことをキャピタルゲインといいます。例えば投資対象が値上がりしたので売却した場合の売却益などはキャピタルゲインの一例です。逆に対象そのものの価値が減ることで被る現実の損失や含み損のことをキャピタルロスといいます。例えば投資対象が値下がりした場合の含み損などはキャピタルロスと言えます。

インカムゲインとは

インカムゲインは投資した対象そのものの価値以外で、投資対象を保有したり、貸したりすることを続けることで得られるリターンのことです。例えば預金につく利息や株主として受け取る配当はインカムゲインとなります。インカムゲインはキャピタルゲインのように対象そのものの価値変動によってマイナスとなることはまずなく、ゼロ以上のリターンとなるのが特徴と言えます。

投資する金融商品を比べるポイント

投資対象には様々なものがあり、投資対象ごとに金融商品が沢山あります。比べるポイントとしてどこを見ればいいのでしょうか。

利回り

高い利回りは投資する金融商品を選ぶ際に最初にチェックするポイント。ただし、高い利回りという多くのリターンを得ようとすればリスク負担は大きくなるので、ある程度のリスク負担に耐えられるだけの資金的な余裕を持って投資することが求められます。

必要資金

利回りが大きな投資対象は魅力ですが、対象そのものが高い値段で取引されている場合は、簡単に投資を始めるのは難しいと言えます。具体的な例として不動産投資などは始める場合は相応に沢山の資金を要します。ただし、こうした不動産であっても証券化という形で小口化し、少ない資金から始められることを可能とした金融商品が登場し、高い利回りで人気となっています。

その他のポイント

大事なお金を自分で運用するのか、プロに運用を有償でお願いするのかの違いでも金融商品は区分できます。投資で安定して利益を上げるためには、相応の知識と経験が必要となります。そんな時間がとれないという方は投資信託という形でプロに運用を有償でお願いすることになります。ただし、どのような金融商品に投資するのかの判断は御自身で行います。

高い利回りを目標にする投資信託は、相場次第で大きな利益が出る可能性がある反面、損失も大きくなる傾向があります。またこうした運用方法を選択した場合、信託報酬もそれなりに高くなりますので注意が必要です。

まとめ

投資と聞くと、一部の専門家以外の方にとっては難しいイメージを持つことが多いのかもしれません。しかし、最近はインターネットを通じて気軽に情報を集めたり、沢山の金融商品が自由に選べたりできるので、「生活に影響のない範囲で、小遣い程度の少ない金額からはじめてみようか」と考える人は増えてきているようです。あれこれと考えるよりも、利益が出れば勿論有り難いですが、損失を「将来の勉強のための授業料」として考え、少ない金額から「投資を学んでみるためにトライしてみる」というのもいいのではないでしょうか