株と投資信託を徹底比較!双方のメリット・デメリットとは?
日本の投資対象として3本の指に入るほどの知名度と人気を誇る「株」と「投資信託」、本記事では両者の特徴とメリット・デメリットを徹底的に比較しますので、投資対象選びの参考にしていただければと思います。
株とは?
株とは、企業が資金集めのために発行する「株式」のことです。投資対象としてはとてもメジャーなもので、株式投資を専門的行なって生計を立てている個人投資家もたくさんいます。
株を保有していると、まず配当金というものがもらえます。これは、株を保有している投資家に対して、資金提供を受けた企業が利益を還元するために支払うものです。要するに投資家に対する「お礼」のようなものです。
さらに「株主優待制度」というものを設けている企業も多く、自社の製品や経営している飲食店の割引券、テーマパークのチケットなどを株主に配布します。
さらに株は値動きが大きいので、キャピタルゲインで利益を出しやすい投資対象でもあります。キャピタルゲインとは「安く買って高く売る」ことによるその差額分の利益のことです。
キャピタルゲインはあらゆる投資商品に通じる概念ですが、株はその中でもとりわけキャピタルゲインでの利益を出しやすいものです。
投資信託とは?
投資信託とは、「ファンドに投資する」という手法です。ファンドというのは、いわゆる投資のプロフェッショナル集団で、ファンドは顧客からの資金を元手に株や土地、債券や外貨などに投資して利益を出します。
そのファンドが出した利益を分配金として投資家に配布されるというのが投資信託の仕組みです。株と同じく、証券会社から投資信託を購入することもできるので購入にかかる手間は少ない方でしょう。
そして一口に投資信託と言っても様々な種類があり、例えば「株を専門的に取り扱うファンド」や逆に「株には投資しないファンド」など、さらには「一つのテーマに沿った(環境・医療など)投資対象に投資するファンド」や「株や債券など様々なものに投資するファンド」など多種多様です。
何れにしても、「プロに運用を任せられる」という大きなメリットが投資信託にあり、値動きも安定しているので、着実な利益を出しやすいと言えます。
また証券取引所に上場している投資信託もあり、それらはETFと呼ばれています。つまりは株と同じ手法で購入できる投資信託ということで、近年で人気が高まっています。
株のメリット・デメリット
それではここからはメリット・デメリットのご紹介です。まずは株のメリット・デメリットから解説していきますので、参考にしてください。
株のメリット
キャピタルゲインによる利益が大きい
長期・短期どちらの投資タイプにも向いている
インターネットから気軽に購入できる
運用コストが安い
株投資の最大のメリットはやはりキャピタルゲインによる大きな利益でしょう。成長企業なら、数日で大幅な価格上昇を見せることもあり、資金を増やしやすいという意味では他の金融商品よりも優れています。
そして、短い間に値が動くという特性を持つため、購入と売却を1日で行いそのキャピタルゲインで利益を出す「デイトレーダー」のような短期保有の投資家にも人気があります。もちろん、数年単位で保有する堅実な投資にも向いています。
インターネット取引を採用している証券会社なら、PCからクリック一つで購入・売却も可能であり、その手軽さも人気の秘密です。
そして、購入・売却の際に証券会社に支払う取引手数料というものがありますが、それ以外の運用コストは配当金にかかる税金くらいです。株そのものには税金はかからないので、長期保有なら税金対策としても有効でしょう。
株のデメリット
キャピタルゲインによる損失が大きい
倒産リスクがある
経済・金融関連の知識を要する
大きな値動きによるキャピタルゲインはメリットでありデメリットでもあります。利益を出しやすいというのは、同時に損失も出しやすいというということだからです。
実際に株投資で大きな損失を出して、資金を増やすどころか破産してしまうという実例は非常に多く、ハイリスク・ハイリターンな投資であると言えるでしょう。
また、株を購入した企業そのものが倒産してしまうと、資産価値が0になってしまうというリスクも存在します。このような大きなリスクを孕んでいるため、個人で株に投資するには企業の実態を掴むために経済や金融関係の知識をそれなりに勉強する必要があります。
投資信託のメリット・デメリット
続いては、投資信託のメリット・デメリットについて解説していきます。投資信託のメリットとデメリットは株とは大きく違います。
投資信託のメリット
プロに運用を任せられる
インカムゲインによる安定した利益
長期的に着実な利益が出せる
少額からでも購入可能
やはりプロに運用を任せられるというのが、投資信託の最大のメリットでしょう。ファンドでは様々な投資対象に「分散投資」し、リスクを極力小さくして運用していますので、株よりも値動きが穏やかで、細かく価格をチェックする必要もないでしょう。
そして、保有しているだけで得られる利益である「インカムゲイン」も投資信託は安定的に得られます。株式の配当金もインカムゲインなのですが、これは企業の業績に左右されるので安定収入とはなりにくいです。
このようなメリットがら長期的に着実な利益を積み上げることが可能です。さらに株式と違い、10000円から購入できる投資信託も存在しますので、少額投資が可能というのも大きなメリットでしょう。
投資信託のデメリット
短期的な利益が少ない
運用コストがかかる
倒産リスクと元本割れのリスクがある
投資信託は値動きが小さいので、短期的な利益を出すのには向いていません。数ヶ月でまとまった利益を出したいと考えるような方には物足りないでしょう。
そして、ファンドもボランティアで運用している訳ではないので投資信託にはファンドに対して支払う「手数料」という形で運用コストがかかります。銘柄によって異なりますが、およそ年間で投資資金の0.5〜2%の手数料が発生します。
そして投資信託にも、キャピタルゲインによる元本割れと倒産リスクがあります。株の場合はそのようなリスクがあることを承知の上で始める方が多いのですが、プロに運用してもらえるという前提がある投資信託は、このようなリスクがあることを考慮せずに購入する方が少なくありません。
特に倒産リスクに関しては、ファンドそのものが立ち行かなくなってしまった時に生じ、その場合は預けた資金が全額戻ってくるということは無いので注意しておきましょう。
株・投資信託どちらを選ぶべきか?
株と投資信託はどちらの方がより優れているというものではありません。それぞれにメリット・デメリットがありますので、その点を考慮して「自分に向いている方を選ぶ」ようにしましょう。
株に向いているのは以下のような項目に当てはまる方です。
潤沢な余剰資金がある(50万円以上)
経済や金融に関する知識がある。あるいは勉強する気がある
適切なリスク管理ができる
上記のように、十分な資金と知識を持っていて、なおかつ完全に自己責任なので、しっかりとリスクをコントロールできるメンタリティが株投資に必要な要素です。
投資信託に向いているのは以下のような方です。
余剰資金が10万円以下
長期的な資産形成が目的
投資活動に時間を消費しできない
余剰資金が少ない方は投資信託を選ぶべきでしょう。株も10万円以下から運用できるものはありますが、少ない資金での運用で利益を出すのは非常に難しいです。
本業が別にあり、あくまでも資産運用として長期的な視点で利益が出れば良いという考えであれば投資信託は非常に適切な選択と言えるでしょう。
また、投資のために日に何度も価格変動をチェックしたり、ニュースや新聞での情報収集に時間が割けないような方にもお勧めできます。